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コレクティブハウス本町田 イベントレポート

  • 2019.09.05 知りたい方に

コレクティブハウス本町田 イベントレポート


「コレクティブハウス本町田」プロジェクト セミナー開催レポート


セミナーの様子


7月17日、「コレクティブハウス本町田」プロジェクトの第1弾セミナー「人生100年時代 これからの私、誰とどこでどう暮らす?~ひとりの自由を 共につくる暮らし」が開催されました。28人の参加者に「コレクティブハウス」という住まい方をコーディネーターや居住者の立場から伝えるとともに、人生100年時代を生きる私たちがこれからの人生を楽しむために必要なことについて考えました。




なぜ今、コレクティブハウスなのか

(コレクティブハウジング社 狩野三枝)


セミナーの様子


コレクティブハウスとは、居住者による自主運営型の賃貸住宅です。北欧で始まり、アメリカではCo-housing(コウハウジング)として広がっています。普通のマンションのように独立したキッチン、バス・トイレを備えた住戸の他に、共有のキッチンやダイニングを有し、共同の食事「コモンミール」も特徴の一つ。単身者だけではなく、家族や高齢者など多世代での暮らしを志向しています。

厚労省の平成29年簡易生命表の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳。生まれ年別の生存年齢はさらに高い傾向に。年齢を重ねると選択肢が狭まるため、この先の生き方や人生の楽しみ方について考える必要があります。高齢者がフレイル(虚弱)になるリスクは、運動より社会に関わる活動をしていない方が悪くなるとのデータがあり、社会で役割を持つことは重要です。共同の食事が健康に関わるといわれており孤食も問題です。

人生100年時代。これからの暮らしを不安に思ったり、今後の生き方について考えている人に、コレクティブハウスの暮らしがヒントになれば幸いです。




●居住者が語る「コレクティブハウス」とは?

(コレクティブハウス居住者 60代前半のIさん)

8年前に入居。10年間、母の介護を経て一人暮らしになったとき、もしこのまま死んだらだれにも発見されないと思い、家族でなくとも近くに人がいてほしいと考えたことがきっかけです。そのとき部屋は空いてなく、CHC居住希望者の会に入って話し合い等をしたことで、コレクティブに興味のある人の考え方や傾向、求める生活像をあらかじめ把握したことは入居のうえで大きな指針となりました。

居住者としては、グループや係といった役割を担うことが一人身にはありがたいです。また他の居住者と会話をして笑ったり、ハウス内に笑い声が聞こえるのは、人のいる環境だからこそ。多世代という言い方をしますが、私自身は年齢や年の差は意識していません。


この暮らしの価値は民主的、個人の確立、暮らしを楽しむ時間の3つだと私は思います。自分たちでルールを作り、アイデアを出し合い、違和感なども話し合えるのは、とても風通しがいいことです。大人は結婚の有無にかかわらず個人としてとらえ、私のことを子供たちが呼ぶときもきちんと名前で呼んでくれます。

これから先は元気なときと、動けないなど問題が起こってからとは考えることが変わってくるでしょう。決まりきったところではなく、自分が言いたいことのいえる環境の老人ホームがあればと望んでいます。


(コレクティブハウス居住者 Tさん)

今年5月から入居。いままで外資系企業で給料が上がれば幸せになると思いながら働き、結婚も出産もせずに走り抜け、35歳を超えるとこの先に迷いが生じました。思い切って会社を辞め、コレクティブハウスが生まれた北欧の国デンマークへ留学。「エコヴィレッジ」という生活共同体をいくつか見学して、コミュニティそれぞれの民主主義の差に興味を引かれました。帰国後は単なるシェアハウスではなく、みんなでルールを作りあげる暮らしがないかと探し、コレクティブハウスへつながりました。


実際に住むと、基本的に前向きで人とかかわることが好きな人の集まりという印象です。自分たちでルールを決めていくのは面倒ですが、その面倒を選んでつながりを大事にしているようにみえます。定例会で、退去した元居住者との関わりについて話し合ったのですが、ワークショップまで行うなど議題に真摯に向き合い、人と人の関係を思いやり、一所懸命かかわっていく姿勢がいいなと感じています。

 
 
 

質疑応答


Q.加齢に対してや認知の始まった人に対する対応はどうなっていますか?

A.何かできないことが出てきたとき、他の人がどう補えるかを常に話し合いで決めています。認知症は家族でもアプローチが難しいため居住者だけで解決することが大変なときは、コーディネーターであるコクレクティブハウジング社が行政サービスとつなぐケースが実際にありました。



Q.対人的なパワーが必要に思えるのですが、エネルギーがないときはどうしていますか?

A.プライベートな部屋が確保されているので、パワーが落ちているときは引きこもることも選択できます。コモンミールもみんな同じ時間に食べているわけではなく、自室に持っていくことが可能なので引きこもりもラクです。



コレクティブハウス本町田 2020年春オープン

株式会社コプラスを事業主とした、コレクティブハウスとコモン付き賃貸を併設した新規プロジェクト。JR・小田急町田駅から徒歩25分、バスの便も良い閑静な住宅地の築26年の社員寮をリノベーションし、地域ともつながっていける暮らしを目指しています。

セミナーやオリエンテーションなども随時開催中なので、ご検討中の方は以下のフォーム、または電話、Eメールでお申込みください。



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NPO法人コレクティブハウジング社 

Email:kyoju-ch@chc.or.jp(担当/狩野、矢田)

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