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協同の発見 134号(2003年9月)に掲載のコレクティブハウジングの挑戦について

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資料室

協同の発見 134号(2003年9月)に掲載のコレクティブハウジングの挑戦について

  • 2021.09.15 資料室

協同の發見 2003年9月 第134号
https://jicr.roukyou.gr.jp/oldsite/publication/2003/134/134-collective_housing.pdf
https://jicr.roukyou.gr.jp/oldsite/publication/2003/134/134-collective_housing2.pdf

協同の發見 2003年7月 第132号
https://jicr.roukyou.gr.jp/oldsite/publication/2003/132/132-interview_.pdf

 この記事は、2003年9月に掲載されたものです。今考えると、かんかん森がオープンしたのが6月でしたので、日本にコレクティブハウス第1号ができてすぐの取材で、研究会と座談会でした。

 2000年から、かんかん森の事業化の話は進んでおり、日本初のコレクティブハウスを作れることにALCC(CHCの前身の活動グループ)のメンバーも大きな希望を持って取り組んでいました。
私は、プロジェクト責任者としてこの事業化に専念することになりましたが、2年半の事業推進の中で、多くの学びを得ました。それが日本のコレクティブハウスの現在にもつながる大きな糧となっています。特に、居住者の自立的なコミュニティ意識をどのように醸成するかは、現在でも日本の社会では大きな課題で、そのためのワークショップの活用は非常に重要な提案だったと思っています。
 ワークショップという新しい方法論は、アメリカ発の話し合いの方法で 2000年当時は日本ではまだとても珍しかったと思いますが、NPOの前身の活動グループALCCでは普及啓発活動の中ですでに取り組んでいました。全員の参加による対等な関係作り、自立的運営の体制づくりなどコミュニティデザインの手法として柱となる重要な実践的な手法で、コレクティブハウスづくりのなかでは非常に重要なコミュニティ創生の方法として、積極的に推進してきました。
 ワークショップの手法は、対等な人間関係の構築や様々な場面での話し合いにも非常に有効な方法です。人の年齢も地位も役割も超えた、一人の人同士としての話し合い(対話)の本来のあり方を体現するものです。
 協同総合研究所の皆さんは、かんかん森の見学もしてくださっており、コレクティブハウスについては非常に理解を深めてくださったと思います。その上での座談会は、働き方と暮らしや男女の問題など今でも、多くの方が 現在でも聞きたいような質問や内容の話し合いが含まれております。
 今読み直しても、私の考え方には大きな齟齬はなく、かえって当時は挑戦者としてはっきりものを言っていたのだと思いました。日本のコレクティブハウスの黎明期でしたが、コミュニティとか、シェアすることといった言葉がようやく日本の社会の中に入り始めた時期でもあり、バブル崩壊後の右肩下がりの経済状況での社会保障や労働者の権利擁護や協同などの課題とともに、戦後50年近くたった持ち家政策や核家族での暮らしの孤立などに課題が多発し始めていました。
 この頃には少子化や高齢化など今後の人口推計の予測はすでにでており、社会問題としても取り上げられ始めていました、しかし、この社会の課題は17年後の今も残念ながらさらに厳しさ、深刻さを増し、有効な対策が打たれないまま、人口減少や多くの人が孤立はますます激しくなっています。
 この挑戦の記事を皆様にも読んでいただき、私たちにどのような選択肢があるのかを一緒に考え、厳しい時代の中でもコレクティブハウスの豊かな暮らしに秘められている可能性を、知っていただくことは、子育てを支援したり、孤立を防いだり、つながりを自分の暮らしの豊かさとするヒントともなれると思います。

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